- 東京書籍 情報A -

第3章 情報の統合的な処理とコンピュータの活用
第1節 コンピュータによる情報の統合

1 身の回りのメディアを調べてみよう

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【教師向けコメント】 ハードディスクドライブの構造を示したいときに利用できます。ハードディスク自体の役割と、各部の役割や動作の説明を付け加える必要があります。
【生徒向け】 ハードディスクは、記録・再生が可能な補助記憶装置の一つです。ハードディスクドライブの中では、プラッタと呼ばれる磁気ディスクが、毎分数千回転という速さで回転しています。スイングアームの先端に取り付けられた磁気ヘッドで、プラッタ表面の磁気データを読み書きします。

1506-1
【教師向けコメント】 フロッピーの構成を説明したい時に利用することができます。この際、各部の役割を説明する必要があります。
【生徒向け】 パソコンのデータを記録できる「フロッピー」の構造を見てみましょう。フロッピーには約1.4MBのデータを記録することが出来ます。また、書込み禁止ノッチを使うことで、新たな書き込みを防ぐことが出来、誤って大事なデータを消さないようにすることが出来ます。

1506-2
【教師向けコメント】 フロッピーディスクとCD-ROMのトラック配列の違いを示したいときに利用することが出来ます。この配列の違いによって何がどう変わるのか概観しておく必要があります。
【生徒向け】 フロッピーディスクとCD-ROMのトラック配列の違いを見てみましょう。フロッピーディスクは、複数のトラックが同心円上に配置されているのに対し、CD-ROMのトラックは、らせん状に配置されているのがわかります。

1509-1
【教師向けコメント】 CDの構造を示したいときに利用することが出来ます。この際、各層の説明をする必要があります。
【生徒向け】 CDの構造がどのようになっているのか見てみましょう。厚さ1.2mmの中でも、基盤が約1.2mmを占め、その下にアルミニウムを蒸着させた記録層があり、記録層を覆うように厚さ10μmの、樹脂で出来た保護膜があります。

1509-2
【教師向けコメント】 DVDの構造を示したいときに利用することが出来ます。これを利用する際には、DVDが2枚のディスクを張り合わせて1枚のCDと同じ厚さであるという説明を加えるといいでしょう。また、1509-1の静止画を用いてCDの構造と比べるとよいでしょう。
【生徒向け】 DVDの構造を見てみましょう。DVDは外観的にはCDと大きさも厚さも同じですが、DVDは2枚のディスクを張り合わせて1枚にしています。また、CDには記録層が片側しかなかったのに比べて、DVDは1つのディスクにつき両面で記録することができ、一枚で最大4層の記録面をもつことが出来ます。

1509-3
【教師向けコメント】 CDとDVDの記録層を示したいときに利用することが出来ます。このとき、CDよりもDVDの方が、ピットの大きさとトラック間隔が小さくなっていることに着目させ、それによりディスク1枚により多くの情報を記録することが可能となっていることを説明する必要があります。
【生徒向け】 CDとDVDの記録層の違いをみてみましょう。CDよりもDVDの方が、ピットの大きさとトラック間隔が小さくなっているのがわかると思います。これにより、ディスク1枚により多くの情報を記録することが可能となっています。

1512-1
【教師向けコメント】 光磁気ディスクドライブの内部構造を示したいときに利用できます。その際、各部の役割や、光磁気ディスクとはどのようなものかなどの説明を加える必要があります。
【生徒向け】 光磁気ディスクには、MOがあります。このドライブの構造を見てみましょう。

2 このソフトウェアは何が得意なのだろうか

2106-1
【教師向けコメント】 コンピュータでの文字の扱い方を学習することができます。コンピュータでは文字もそのままでは扱えず、数値化することを説明します。漢字は種類が多いので16ビットで扱います。興味のある生徒には、JIS規格以外にも、いくつかの文字コードがあることを説明するとよいでしょう。
【生徒向け】 コンピュータでは文字を数値で扱っています。それぞれの文字に文字コードが与えられていることを理解しましょう。図は、JIS X 0201の一覧表です。色分けによってより解りやすい表になっています。2106-2の文字列を、この表を使って実際に文字コードに変換させるなどの利用もできます。

2106-2
【教師向けコメント】 コンピュータでの文字コードの扱いについて具体的に学習することができます。コード表を見ながら文字と文字コードの対応ができるようにしておく必要があります。
【生徒向け】 文字がどのような形式でパソコンに記憶されているか理解しましょう。

2105
【教師向けコメント】 画像を情報化する方法として、ペイント系とドロー系があり、それらの違いを学習することができます。身近な写真や図などを用意して、ペイント系とドロー系のどちらで作業を行うとよいか考えさせることによって両者の違いを理解させるとよいでしょう。
【生徒向け】 ペイント系とドロー系の図の取り扱い方の違いを理解しましょう。身近な写真や図はどちらで扱うとよいかを考えてみるといいでしょう。

2109
【教師向けコメント】 アニメーションのしくみについて学習することができます。ビデオテープでは1秒間に30枚の絵を映画では1秒間に24枚の絵を切り替えている。授業では切り替える回数が少なくなると動きがぎこちなくことに触れながら説明するといいでしょう。
【生徒向け】 動画が動いて見えるしくみについて理解しましょう。また切り替える絵の数を少なくするとどうなるか考えて見ましょう。

2110
【教師向けコメント】 動画と静止画の情報量の違いについて学習することができます。静止画や動画は、圧縮しない状態では、膨大なデータ量になってしまうことに触れるとよいでしょう。データ量を少なくするために情報圧縮技術を使うとよい(2112)ことにつながるように授業を展開するといいでしょう。
【生徒向け】 文字データと違い、静止画や動画はそのままでは、膨大な量になってしまうことを理解しましょう。

2108
【教師向けコメント】 音声をディジタル化するしくみについて、標本化および量子化について学習することができます。ディジタル化することによって、劣化しなくなる。コンピュータで加工がしやすくなることに触れるとよいでしょう。
【生徒向け】 マイクロフォンから入力された音声が、どうやってコンピュータに取り込まれて、ディジタルデータとして表現されるか、そのしくみについて理解しましょう。

3 情報の形態とディジタル化

2101
【教師向けコメント】 ディジタルとアナログの違いを図的に学習できます。アナログ式とディジタル式の時計やはかりなど身近な道具を使って数値の扱い方の違いを説明すると効果的です。
【生徒向け】 アナログとディジタルの違いをオシロスコープの波形を見て、直感的に理解しましょう。

2108
【教師向けコメント】 音声をディジタル化するしくみについて、標本化および量子化について学習することができます。ディジタル化することによって、劣化しなくなる。コンピュータで加工がしやすくなることに触れるとよいでしょう。
【生徒向け】 マイクロフォンから入力された音声が、どうやってコンピュータに取り込まれて、ディジタルデータとして表現されるか、そのしくみについて理解しましょう。

2104
【教師向けコメント】 10進数と2進数の対応およびビットパターンについて学習できます。コンピュータは2進数で数値を扱っていることを中心に説明します。また8ビットの2進数場合11111111=255までの数値しか数えられないことにも触れるといいでしょう。
【生徒向け】 コンピュータでは、2進数が用いられます。我々が日常使用している10進数との違いをしっかり理解しましょう。また、ランプの点灯で表すことにより、ビットパターンのイメージをつかむことができます。

1511-2
【教師向けコメント】 CD-ROMドライブがどのようにしてレーザーの光でデータを読み取るのか、細かい流れを説明したいときに利用できます。
【生徒向け】 CD-ROMドライブがCDから情報を読み取る時には、レーザー光をディスクの記憶面にあてて、反射してくる光の強弱でデータを読み取るということは学びましたね。では、発射されたレーザーがどのようにしてディスクの記録面に届くのか、またなぜレーザー光をあてた時に反射された光に強弱があるのかみてみましょう。

1511-3
【教師向けコメント】 "CD-ROMの表面から反射された光が実際に1と0で捉えられる仕組みを説明したいときや、なぜ読み出されたデータが14ビットで一塊になっているのかを説明したい時に利用することができます。 "
【生徒向け】 CD-ROMの表面から反射された光が実際に1と0で捉えられる流れをみてみましょう。読み出された14ビットのデータは、変換表に沿って8ビットのデータに置き換えられます。なぜこのような作業が必要なのか知っておきましょう。

4 音声ファイルをつくってみよう

2108
【教師向けコメント】 音声をディジタル化するしくみについて、標本化および量子化について学習することができます。ディジタル化することによって、劣化しなくなる。コンピュータで加工がしやすくなることに触れるとよいでしょう。
【生徒向け】 マイクロフォンから入力された音声が、どうやってコンピュータに取り込まれて、ディジタルデータとして表現されるか、そのしくみについて理解しましょう。

2103
【教師向けコメント】 アナログ式のLPレコードとデジタル式のCDの情報の記録の仕方の違いについて学習できます。LPレコードは直接針が触れるために、情報が磨耗してしまうことにも触れるといいでしょう。実際に音をどのようにディジタル化するかは2108を参照してください。
【生徒向け】 アナログメディアであるLPレコードとディジタルメディアであるCDのデータの記録方法を比べてみましょう。LPレコードは記録面に直接針が触れるのでデータが磨耗してしまうことも理解しましょう。

5 画像ファイルをつくってみよう

2107
【教師向けコメント】 画像をディジタル化するしくみ、標本化および量子化について学習することができます。また、光の加法混合を理解し、RBGによるカラー表現が説明できといいでしょう。
【生徒向け】 CCDカメラに写った画像が、どうやってコンピュータに取り込まれて、ディジタル画像として表現されるか、そのしくみについて理解しましょう。

2111
【教師向けコメント】 冗長なデータを圧縮する一つの方式「ラン・レングス法」について学習することができます。画像には同じ色の点が連続していることが多いため、ラングレス法での圧縮が効果的です。身近なFAXの送受信にもこの技術が使われています。
【生徒向け】 データ圧縮方法の1つにラン・レングス法があります。ここでは圧縮の方式について概念的に理解しましょう。

2112
【教師向けコメント】 静止画および動画の代表的な圧縮方式JPEGおよびMPEG2の圧縮率について学習することができます。静止画像の代表的な圧縮方式であるJPEGでは、データ量を1/5から1/50に圧縮することが可能です。圧縮率を高くすると画質の劣化しますが、1/10程度の圧縮率では、画質の劣化がほとんどわかりません。ディジタルビデオカメラのDV録画方式は、動画の情報量を独自の方式で1/10程度に圧縮し、ビデオテープにディジタル録画します。DVDが採用している動画圧縮方式では、1/25から1/100という高い圧縮率となっています。また、なぜデータを圧縮する必要があるのか、データ通信と関連して説明すると効果的です。
【生徒向け】 どの程度データが圧縮されるのか、代表的なJPEG方式やMPEG2方式を例に、イメージをつかみましょう。

2110
【教師向けコメント】 動画と静止画の情報量の違いについて学習することができます。静止画や動画は、圧縮しない状態では、膨大なデータ量になってしまうことに触れるとよいでしょう。データ量を少なくするために情報圧縮技術を使うとよい(2112)ことにつながるように授業を展開するといいでしょう。
【生徒向け】 文字データと違い、静止画や動画はそのままでは、膨大な量になってしまうことを理解しましょう。

6 コンピュータでイラストをかいてみよう

2105
【教師向けコメント】 画像を情報化する方法として、ペイント系とドロー系があり、それらの違いを学習することができます。身近な写真や図などを用意して、ペイント系とドロー系のどちらで作業を行うとよいか考えさせることによって両者の違いを理解させるとよいでしょう。
【生徒向け】 ペイント系とドロー系の図の取り扱い方の違いを理解しましょう。身近な写真や図はどちらで扱うとよいかを考えてみるといいでしょう。