- 開隆堂 情報B -

第6章 情報社会を支える情報技術
第1節 情報技術と人間

第1項 情報通信と計測・制御の技術

1.情報通信技術
1707-1
【教師向けコメント】 プロトコルの概念や役割を、電話を例にして、学習することができます。
【生徒向け】 コンピュータを線でつないだだけでは情報のやりとりができません。ネットワークでデータをやりとりするときの決まりごとをプロトコル(通信規約)といいます。

1707-2
【教師向けコメント】 パケットの必要性や構成について学習することができます。
【生徒向け】 ネットワークでのデータは「パケット(小包)」という単位でやりとりされます。また、パケットが無事に届くためには「ヘッダ」に書き込まれた情報が重要になります。

1707-3
【教師向けコメント】 ネットワークのトラブルに対処するためには、こうしたプロトコルの階層構造に対する理解が必要となります。内容的に難しいと思われる場合は、1707-3-01および02の静止画を使って、説明するとよいでしょう。
【生徒向け】 プロトコルは1つではなく、層を作って、それぞれの役割をはたしています。ネットワークがうまくつながらないという場合は、どの層での問題なのかをはっきりさせることが第一歩です。

1707-4
【教師向けコメント】 UDP上のアプリケーション層で使うプロトコルは主にネットワーク管理に使われています。こうした管理の側面を説明する場合には、この部分がかかせません。
【生徒向け】 TCPは、トランスポート層のプロトコルです。また、アプリケーション層では具体的にどのようなプロトコルが使われているか調べてみましょう。

1707-5
【教師向けコメント】 OSI基本参照モデルでは通信機能を7階層に分けて説明している。より深く理解が必要な場合は、情報処理技術者試験などの参考書などを見ておくとよいでしょう。
【生徒向け】 IPは、インターネット層のプロトコルです。パケットについては、1707-2も参照してください。

2.計測・制御の技術
4105
【教師向けコメント】 自動車で活躍しているコンピュータについて、図で示されている構造面と機能面との対応をさせておくことが大切です。
【生徒向け】 自動車で活躍しているコンピュータについて、機能面からあげながら図(構造面から示されているもの)と比べてみましょう。

4106
【教師向けコメント】 予め、空調制御に関する専門的な知識が必要になります。エアコンの構造について示されていますが、図がおおまか過ぎます。よって、興味がある生徒以外は混乱するおそれがあります。また、専門的な知識に乏しいときには、その用語の理解から入る必要があります。
【生徒向け】 図がおおまかに対して解説が高度すぎます。ここでは、エアコンのおおよその構造と空気の流れがイメージできればよいでしょう。

4107
【教師向けコメント】 エアコンによる空調制御について内容がかなり専門的になり過ぎているため、まずは、センサーとモータの連携からいかにして空気中の温度が制御されているのかをつかむ必要があります。おおまか過ぎる構造図ですが、素材番号4106(エアコンの構造)を必要に応じて参照することでイメージがつかみやすくなることでしょう。
【生徒向け】 センサーとモータの連携がイメージできればよいでしょう。

第2項 情報技術における人間への配慮

1.安全
1713-1
【教師向けコメント】 コンピュータウィルスについて、仕組み、幹線経路など学習できます。
【生徒向け】 コンピュータウィルスは悪意をもったプログラムであることをおさえ、常日頃から対策をとりつづけることの重要性を理解し、実際に対処できるようにしましょう。

1713-2
【教師向けコメント】 ハッキングやクラッキングについて、仕組み侵入経路など学習できます。また、ハッカーやクラッカーの違いなども学習できます。
【生徒向け】 ネットワークに不正に侵入する行為は、犯罪であることを理解しましょう。侵入に成功しなくても、侵入しようとする行為自体が問題になる場合もあります。

1713-3
【教師向けコメント】 コンピュータウィルスやクラッキングに対する防衛策について学習することができます。
【生徒向け】 自分が使っているパソコンに、ウィルスからコンピュータを守るためにどんな対策がされているか調べてみましょう。

1715-1
【教師向けコメント】 ネットワーク上でなぜセキュリティが重要なのか、なぜパスワードが必要なのかを説明しています。パスワードは、ネットワーク全体の安全性を高めるためになくてはならないものなのです。銀行のATMでパスワードの入力を求められるのは、キャッシュカードが本人のものかを確認し、他人が悪用できないようにするためです。これと同じように、ネットワーク上のセキュリティを必要とされるところでは、パスワードの入力を求められるのです。ネットワーク上で他人のパスワードを盗んで行われる犯罪の代表的なものにクラッキングがあります。クラッキングは悪意を持ってネットワークに不正に侵入し、ネットワークにつながっているコンピュータのデータを盗んだり破壊します。従って、ネットワークで使用するパスワードは厳重に管理しなければなりません。
【生徒向け】 これからのネットワーク社会ではパスワードの管理はかかせません。銀行のATMでの例を参考にしながら、自分のパスワード管理をどうしていくか、よく考えておきましょう。