- 啓林館 情報A -

第4章 情報機器の発達と生活の変化
第1節 情報機器のしくみ

第1項 情報のディジタル化

●文字のディジタル表現
2106-1
【教師向けコメント】 コンピュータでの文字の扱い方を学習することができます。コンピュータでは文字もそのままでは扱えず、数値化することを説明します。漢字は種類が多いので16ビットで扱います。興味のある生徒には、JIS規格以外にも、いくつかの文字コードがあることを説明するとよいでしょう。
【生徒向け】 コンピュータでは文字を数値で扱っています。それぞれの文字に文字コードが与えられていることを理解しましょう。図は、JIS X 0201の一覧表です。色分けによってより解りやすい表になっています。2106-2の文字列を、この表を使って実際に文字コードに変換させるなどの利用もできます。

2106-2
【教師向けコメント】 コンピュータでの文字コードの扱いについて具体的に学習することができます。コード表を見ながら文字と文字コードの対応ができるようにしておく必要があります。
【生徒向け】 文字がどのような形式でパソコンに記憶されているか理解しましょう。

●画像のディジタル化
2107
【教師向けコメント】 画像をディジタル化するしくみ、標本化および量子化について学習することができます。また、光の加法混合を理解し、RBGによるカラー表現が説明できといいでしょう。
【生徒向け】 CCDカメラに写った画像が、どうやってコンピュータに取り込まれて、ディジタル画像として表現されるか、そのしくみについて理解しましょう。

2110
【教師向けコメント】 動画と静止画の情報量の違いについて学習することができます。静止画や動画は、圧縮しない状態では、膨大なデータ量になってしまうことに触れるとよいでしょう。データ量を少なくするために情報圧縮技術を使うとよい(2112)ことにつながるように授業を展開するといいでしょう。
【生徒向け】 文字データと違い、静止画や動画はそのままでは、膨大な量になってしまうことを理解しましょう。

2111-1
【教師向けコメント】 冗長なデータを圧縮する一つの方式「ラン・レングス法」について学習することができます。画像には同じ色の点が連続していることが多いため、ラングレス法での圧縮が効果的です。身近なFAXの送受信にもこの技術が使われています。
【生徒向け】 データ圧縮方法の1つにラン・レングス法があります。ここでは圧縮の方式について概念的に理解しましょう。

2112
【教師向けコメント】 静止画および動画の代表的な圧縮方式JPEGおよびMPEG2の圧縮率について学習することができます。静止画像の代表的な圧縮方式であるJPEGでは、データ量を1/5から1/50に圧縮することが可能です。圧縮率を高くすると画質の劣化しますが、1/10程度の圧縮率では、画質の劣化がほとんどわかりません。ディジタルビデオカメラのDV録画方式は、動画の情報量を独自の方式で1/10程度に圧縮し、ビデオテープにディジタル録画します。DVDが採用している動画圧縮方式では、1/25から1/100という高い圧縮率となっています。また、なぜデータを圧縮する必要があるのか、データ通信と関連して説明すると効果的です。
【生徒向け】 どの程度データが圧縮されるのか、代表的なJPEG方式やMPEG2方式を例に、イメージをつかみましょう。

1606-1
【教師向けコメント】 デスクトップのプロパティなどを使うときに理解を助けます。色の表現とデータ量のトレードオフについて学ばせることもできます。
【生徒向け】 3つのカラーモードの違いが表にまとめられています。各カラーモードの特徴を理解しましょう。

1606-2
【教師向けコメント】 インデックスカラーモードについて理解させることができます。カラーモードについて十分理解できていることが前提です。
【生徒向け】 256色インデックスカラーモードでは、どのように色が表現されていて、どう登録、どう表示されるか理解しましょう。

1601-1
【教師向けコメント】 CRTディスプレイの構造を視覚的に理解させることができます。※1602の動画を見せる前、または見せた後に、構造を詳しく解説することに利用できます。
【生徒向け】 CRTディスプレイの断面が示されています。CRTディスプレイを構成する大まかな部品が分かります。素材1602の動画と合わせて見ると理解が深まります。

1602-1
【教師向けコメント】 CRTディスプレイにどのように画像が表示されるのか、理解することができます。3原色の組み合わせでさまざまな色を表現できること、残像現象を利用して画面表示していることなども説明されています。
【生徒向け】 CRTディスプレイに画像が表示される仕組みに興味のある人はこれをみると良いでしょう。

●連続な量のディジタル化
2108
【教師向けコメント】 音声をディジタル化するしくみについて、標本化および量子化について学習することができます。ディジタル化することによって、劣化しなくなる。コンピュータで加工がしやすくなることに触れるとよいでしょう。
【生徒向け】 マイクロフォンから入力された音声が、どうやってコンピュータに取り込まれて、ディジタルデータとして表現されるか、そのしくみについて理解しましょう。

2103
【教師向けコメント】 アナログ式のLPレコードとデジタル式のCDの情報の記録の仕方の違いについて学習できます。LPレコードは直接針が触れるために、情報が磨耗してしまうことにも触れるといいでしょう。実際に音をどのようにディジタル化するかは2108を参照してください。
【生徒向け】 アナログメディアであるLPレコードとディジタルメディアであるCDのデータの記録方法を比べてみましょう。LPレコードは記録面に直接針が触れるのでデータが磨耗してしまうことも理解しましょう。

●ディジタル情報の単位
2101
【教師向けコメント】 ディジタルとアナログの違いを図的に学習できます。アナログ式とディジタル式の時計やはかりなど身近な道具を使って数値の扱い方の違いを説明すると効果的です。
【生徒向け】 アナログとディジタルの違いをオシロスコープの波形を見て、直感的に理解しましょう。

2102
【教師向けコメント】 情報の量と単位を学習することができます。ここではK(キロ),M(メガ),G(ギガ),T(テラ)と大きくなるとともに情報が約1000倍に増えることを図の牛乳パックやタンカーを用いながら説明するといいでしょう。データの最小の単位がビットであることにも触れましょう。
【生徒向け】 コンピュータでデータを扱う単位にはビットやバイトがあります。ここではフロッピーディスクやCD,DVD−ROMがどのぐらいのデータを扱えるのか理解しましょう。

2104
【教師向けコメント】 10進数と2進数の対応およびビットパターンについて学習できます。コンピュータは2進数で数値を扱っていることを中心に説明します。また8ビットの2進数場合11111111=255までの数値しか数えられないことにも触れるといいでしょう。
【生徒向け】 コンピュータでは、2進数が用いられます。我々が日常使用している10進数との違いをしっかり理解しましょう。また、ランプの点灯で表すことにより、ビットパターンのイメージをつかむことができます。

第2項 情報のディジタル化と情報機器の発展

●ネットワークの移り変わり
1708-1
【教師向けコメント】 インターネットの成り立ちを学習することができます。
【生徒向け】 インターネットの歴史はまだ浅く、はじまりはアメリカのARPNETといわれています。最初は軍事から学術、そして一般のネットワークへと広がっていきました。

1711-1
【教師向けコメント】 Webページを取得するしくみについて、URLからIPアドレスを獲得し、Webサーバからファイルを取得する手順について学習しましょう。
【生徒向け】 Webページのデータがどのようにして自分のコンピュータにやってくるのかという仕組みとURLとは何かをつかんでください。

●情報技術の進歩
2102
【教師向けコメント】 情報の量と単位を学習することができます。ここではK(キロ),M(メガ),G(ギガ),T(テラ)と大きくなるとともに情報が約1000倍に増えることを図の牛乳パックやタンカーを用いながら説明するといいでしょう。データの最小の単位がビットであることにも触れましょう。
【生徒向け】 コンピュータでデータを扱う単位にはビットやバイトがあります。ここではフロッピーディスクやCD,DVD−ROMがどのぐらいのデータを扱えるのか理解しましょう。

●映像の記録とディジタル機器
2107
【教師向けコメント】 画像をディジタル化するしくみ、標本化および量子化について学習することができます。また、光の加法混合を理解し、RBGによるカラー表現が説明できといいでしょう。
【生徒向け】 CCDカメラに写った画像が、どうやってコンピュータに取り込まれて、ディジタル画像として表現されるか、そのしくみについて理解しましょう。

1305-1
【教師向けコメント】 フラッベッド型のイメージスキャナの構造を示すときに利用することが出来ます。この際、主な部分の説明を簡単にすると尚いいと思います。
【生徒向け】 フラットベッド型のイメージスキャナの主な構造を知ることが出来ます。原稿台の上にスキャンしたい方を下にして置き、キャリッジで読み取ります。

1305-2
【教師向けコメント】 フラットベッド型のイメージスキャナの読み取り部、「キャリッジ」の細かい構造を示すときに利用することが出来ますが、この場合、教師が各部分の動作について概観しておく必要があります。
【生徒向け】 フラットベッド型の原稿を読み取る部分、「キャリッジ」の構造を覗いてみましょう。これらの部品がどのように使われるのかは1306-2の動画を見てください。

1306-1
【教師向けコメント】 どのようにスキャナを使ったらいいのかを示したいときに利用するといいでしょう。
【生徒向け】 スキャナを使うときの注意事項を知りましょう。説明にあるように、原稿全体をスキャンするのではなく、低解像度で原稿をスキャンし、範囲を指定して必要な部分だけを高解像度でスキャンするようにすると時間の短縮になり、よいですよ。

1307-1
【教師向けコメント】 ディジタルカメラの構造を示す時に利用できます。その際、各部の簡単な説明を加えるといいでしょう。
【生徒向け】 ディジタルカメラの構造がどうなっているかみてみましょう。普通のカメラの仕組みを調べ、どこが違うか考えてみましょう。

1309
【教師向けコメント】 CCDの構成、特に受光部の細かい構成を示すことができます。これを使用する際には、各部の簡単な説明を加える必要があります。
【生徒向け】 ディジタルカメラやスキャナのキャリッジで出てきた「CCD」の内部構造を見ることができます。専門的なので眺める程度でよいでしょう。

1309-1
【教師向けコメント】 CCDに光を当ててからどのように画像データが得られるのかの流れを示したいときに利用するとよいでしょう。フォトダイオードについての説明がされてませんので、付け加えておくとよいかもしれません。また、前知識として、画像がRGBで示されることを教えておく必要があります。
【生徒向け】 CCDに光を当ててからどのように画像データを得ることが出来るのか見てみましょう。専門的な話なので、細かな数字は気にせず、全体的な流れをつかむようにするとよいでしょう。

1309-2
【教師向けコメント】 画像を取り込むときは、全ての色を一つ一つ取り込むわけではなく、RGBの3つで計算され、3つの画像を合成して一つの画像となることを示すのに利用できます。
【生徒向け】 画像を取り込むときは、全ての色を一つ一つ取り込むわけではありません。R(Red)G(Green)B(Blue)の3つで計算され、3つの画像を合成して一つの画像にしています。

1310
【教師向けコメント】 ディジタルビデオカメラの構成を示したい時に利用できます。その際、各部の簡単な説明を加えるといいでしょう。
【生徒向け】 ディジタルビデオカメラの構造はどうなっているのかみてみましょう。ディジタルカメラとの、部品の違いをみてみましょう。

1310-1
【教師向けコメント】 ディジタルビデオカメラの構成を示したい時に利用できます。その際、各部の簡単な説明を加えるといいでしょう。
【生徒向け】 ディジタルビデオカメラの構造はどうなっているのかみてみましょう。ディジタルカメラとの、部品の違いをみてみましょう。

1310-2
【教師向けコメント】 "ディジタルビデオカメラで撮影してから、DVカセットに画像を記録する過程を示すことが出来ます。 この際、ディジタルビデオカメラと相違点を示すといいでしょう。"
【生徒向け】 1310-1で示されていた各部分は、どのような役割を果たすのでしょうか。全体的な流れを追ってみましょう。また、ディジタルカメラと比べて、同じ点・異なっている点を考えてみましょう。

●マルチメディアと情報通信ネットワーク
1705-1
【教師向けコメント】 モデム・ADSL・光ファイバーの通信速度の異なる手段の、画像の転送の速度の違いを学習できます。
【生徒向け】 象が歩く映像を使って、モデムとADSLと光ファイバで表示されるまでの速度を体験的に見ることができるように説明しています。モデムは56Kbps、ADSLは1.5〜8M、光ファイバは10〜100Mの設定なので、正確な時間ではなく、体感的な速度を体験できるような映像になっています。

1704
【教師向けコメント】 光ケーブルは、極端に曲がると光信号が送ることができなくなるので、テンションメンバを入れることでゆるやかに曲がるようになっています。実物の光ケーブルや光ファイバを見せて説明することで理解しやすくなります。
【生徒向け】 1本の光ケーブルには、複数の光ファイバを束ねられています。