- 第一学習社 情報A -

第4章 情報機器の発達と生活の変化
第1節 情報機器の発達とそのしくみ

1 コンピュータの高性能化

1101
【教師向けコメント】 生徒に、パソコンとその主な周辺機器にはどのようなものがあるか理解させるのに役立ちます。
【生徒向け】 この図の中でパソコン本体は右から二つ目の長方形の箱であり、画面ではありません。パソコン本体にディスプレイやキーボードなどを接続することで、パソコンからのメッセージを画面に映したり、入力をしたり、画像を取り込むなどの便利な機能をパソコンに付属したりすることが出来ます。

1103-1
【教師向けコメント】 1002-2の静止画(各部品の絵)には、1002-1の静止画(組み立てた状態)で見えなかった部分も描かれています。それらの部品が実際に組み立てた時にはどこにあるのか理解させるのに役立ちます。一つ一つの部品のピックアップ時間が短いので細かく止めながら各部品の役割などの説明をするとよいでしょう。
【生徒向け】 パソコンの構成を理解しましょう。パソコン内部の温度を下げるためのファンとヒートシンクの下にCPU(中央処理装置)が取り付けられています。ハードディスクドライブやフロッピーディスクドライブ、CD-ROMドライブなどはインタフェースケーブルでマザーボードに接続され、電源ユニットから電気の供給を受けています。

1401-1
【教師向けコメント】 CPUの構成を示したいときに利用できます。また、ダイの拡大図がありますが、これに関しては1401-2の静止画に構造がのっています。
【生徒向け】 CPUの構成をみてみましょう。CPUは主に、ダイ・パッケージ・ピンで構成されています。ダイの構造については1401-2に詳しく載っています。ダイは指先に乗るほどの小さなもので、そのままでは配線や取り扱いが難しいため、数cm角のパッケージの表面に乗せられます。パッケージの裏には、マザーボード上のCPUソケットに接続される数百本のピン(端子)が並んでいます。

1401-2
【教師向けコメント】 "1401-1でCPUの3構造を示したとき、ダイの構造に注目し、説明したいときに使えます。 このとき、ダイの中での情報の流れを示すとよいでしょう。"
【生徒向け】 CPUの3つの構成のうち、ダイに注目してみましょう。CPUの基盤に作り込まれた回路は、いくつかのブロックで構成されています。バスインタフェースでメモリから読み込まれた命令群は、一度キャッシュメモリに貯えられ、キャッシュメモリからフェッチユニットで1つの命令を読み込み、命令の意味を解釈して、浮動小数点演算ユニットや整数演算ユニットを動かして命令を実行します。制御ユニットは、CPU全体の動作を管理します。

1403-1
【教師向けコメント】 1102-1と1102-2で、本体の構造を学んだ際、メモリの構造を詳しく示したいときに利用することが出来ます。
【生徒向け】 メモリの構造を見てみましょう。このカードを使うことで、パソコンのメモリを増やすことが出来ます。このチップ一つで2Mバイト〜32Mバイトの記憶容量があります。

1501
【教師向けコメント】 外付け型の記憶装置を、パソコン本体とどのようにつなぐのか示すことが出来ます。各補助記憶装置の特徴などの説明をここに加えるとよいでしょう。この際、SCSI・USB・IEEE1394の特徴を説明に加えるてもよいでしょう。(最大接続数など)
【生徒向け】 パソコンの情報は、パソコン本体以外のところから呼び出したり、記録することが出来ます。そのような「補助記憶装置」には、再生専用のものや追記型や書き換え型があります。これらの装置は、拡張ドライブベイに取り付けたり、SCSIやUSBなどを使って外付けしたりすることが出来ます。

1502
【教師向けコメント】 ハードディスクドライブの構造を示したいときに利用できます。ハードディスク自体の役割と、各部の役割や動作の説明を付け加える必要があります。
【生徒向け】 ハードディスクは、記録・再生が可能な補助記憶装置の一つです。ハードディスクドライブの中では、プラッタと呼ばれる磁気ディスクが、毎分数千回転という速さで回転しています。スイングアームの先端に取り付けられた磁気ヘッドで、プラッタ表面の磁気データを読み書きします。

1504-1
【教師向けコメント】 プラッタが一枚ドライブに一枚だけではないことや一枚のプラッタに両面から記録できることを示したいときに利用出来ます。
【生徒向け】 ハードディスクドライブの仕組みの一部分を拡大して横から見てみましょう。一枚のドライブには数枚のプラッタが内臓されています。また、一枚のプラッタに、両面から記録できるよう、2つの磁気ヘッドがつけられています。このような工夫によって、記憶可能な量を増やしています。

2 アナログとディジタル

2103
【教師向けコメント】 アナログ式のLPレコードとデジタル式のCDの情報の記録の仕方の違いについて学習できます。LPレコードは直接針が触れるために、情報が磨耗してしまうことにも触れるといいでしょう。実際に音をどのようにディジタル化するかは2108を参照してください。
【生徒向け】 アナログメディアであるLPレコードとディジタルメディアであるCDのデータの記録方法を比べてみましょう。LPレコードは記録面に直接針が触れるのでデータが磨耗してしまうことも理解しましょう。

2101
【教師向けコメント】 ディジタルとアナログの違いを図的に学習できます。アナログ式とディジタル式の時計やはかりなど身近な道具を使って数値の扱い方の違いを説明すると効果的です。
【生徒向け】 アナログとディジタルの違いをオシロスコープの波形を見て、直感的に理解しましょう。

1503
【教師向けコメント】 磁気ヘッドが磁性体に接触すると、磨耗してしまうことを説明した際、その回避方法を示すときに利用出来ます。
【生徒向け】 ハードディスクの一部分(磁気ヘッドと磁性体の接触部分)を横から見てみましょう。ハードディスクは、毎分数千〜1万回転という高速度で回転しているため、もし磁気ヘッドが磁性体に接触したら摩擦で磨耗してしまいます。そこで、ハードディスクの高速回転で空気の流れを作り、磁気ヘッドを浮き上がらせることによって、磁性体表面と磁気ヘッドの間にわずかにすき間を保つように工夫されています。

1504-2
【教師向けコメント】 磁気ヘッドが、どのように磁気記録層に磁気パターンを記録するか示したいときに利用できます。
【生徒向け】 ハードディスクではどのように情報が記録されるのでしょうか。補助記憶装置には、主に磁気ディスクと光ディスクがあります。ハードディスクは磁気ディスクで、磁気ヘッドが磁気記録層に磁気パターンを記録させることで情報を記憶します。この動画の中で、磁気記録層に磁気を流しているのは磁気ヘッドです。

1504-3
【教師向けコメント】 ディスク表面の磁化パターンをどのように読み取るかを説明したいときに利用できます。ここで、つづいて1504-5を見せると理解を促進できると思います。
【生徒向け】 ハードディスクに記録された磁気パターンがどのように読み取られているのか見てみましょう。コアに生じた磁界を打ち消すように流れた電流の変化を取り出すことによって情報が読み取られます。

2106-1
【教師向けコメント】 コンピュータでの文字の扱い方を学習することができます。コンピュータでは文字もそのままでは扱えず、数値化することを説明します。漢字は種類が多いので16ビットで扱います。興味のある生徒には、JIS規格以外にも、いくつかの文字コードがあることを説明するとよいでしょう。
【生徒向け】 コンピュータでは文字を数値で扱っています。それぞれの文字に文字コードが与えられていることを理解しましょう。図は、JIS X 0201の一覧表です。色分けによってより解りやすい表になっています。2106-2の文字列を、この表を使って実際に文字コードに変換させるなどの利用もできます。

2102
【教師向けコメント】 情報の量と単位を学習することができます。ここではK(キロ),M(メガ),G(ギガ),T(テラ)と大きくなるとともに情報が約1000倍に増えることを図の牛乳パックやタンカーを用いながら説明するといいでしょう。データの最小の単位がビットであることにも触れましょう。
【生徒向け】 コンピュータでデータを扱う単位にはビットやバイトがあります。ここではフロッピーディスクやCD,DVD−ROMがどのぐらいのデータを扱えるのか理解しましょう。

3 データのディジタル化

2101
【教師向けコメント】 ディジタルとアナログの違いを図的に学習できます。アナログ式とディジタル式の時計やはかりなど身近な道具を使って数値の扱い方の違いを説明すると効果的です。
【生徒向け】 アナログとディジタルの違いをオシロスコープの波形を見て、直感的に理解しましょう。

2107
【教師向けコメント】 画像をディジタル化するしくみ、標本化および量子化について学習することができます。また、光の加法混合を理解し、RBGによるカラー表現が説明できといいでしょう。
【生徒向け】 CCDカメラに写った画像が、どうやってコンピュータに取り込まれて、ディジタル画像として表現されるか、そのしくみについて理解しましょう。

2108
【教師向けコメント】 音声をディジタル化するしくみについて、標本化および量子化について学習することができます。ディジタル化することによって、劣化しなくなる。コンピュータで加工がしやすくなることに触れるとよいでしょう。
【生徒向け】 マイクロフォンから入力された音声が、どうやってコンピュータに取り込まれて、ディジタルデータとして表現されるか、そのしくみについて理解しましょう。

4 ネットワークのしくみ

1708-1
【教師向けコメント】 インターネットの成り立ちを学習することができます。
【生徒向け】 インターネットの歴史はまだ浅く、はじまりはアメリカのARPNETといわれています。最初は軍事から学術、そして一般のネットワークへと広がっていきました。

1708-2
【教師向けコメント】 インターネットの概念について、しくみ、信頼性、利点について学習できます。
【生徒向け】 TCP/IPを利用できる機器であれば接続が可能な開かれたネットワークが、インターネットです。インターネットに接続できる機器には、コンピュータ以外にどんなものがあるか、あげてみましょう。

1707-1
【教師向けコメント】 プロトコルの概念や役割を、電話を例にして、学習することができます。
【生徒向け】 コンピュータを線でつないだだけでは情報のやりとりができません。ネットワークでデータをやりとりするときの決まりごとをプロトコル(通信規約)といいます。

1707-2
【教師向けコメント】 パケットの必要性や構成について学習することができます。
【生徒向け】 ネットワークでのデータは「パケット(小包)」という単位でやりとりされます。また、パケットが無事に届くためには「ヘッダ」に書き込まれた情報が重要になります。

1707-3
【教師向けコメント】 ネットワークのトラブルに対処するためには、こうしたプロトコルの階層構造に対する理解が必要となります。内容的に難しいと思われる場合は、1707-3-01および02の静止画を使って、説明するとよいでしょう。
【生徒向け】 プロトコルは1つではなく、層を作って、それぞれの役割をはたしています。ネットワークがうまくつながらないという場合は、どの層での問題なのかをはっきりさせることが第一歩です。

1707-4
【教師向けコメント】 UDP上のアプリケーション層で使うプロトコルは主にネットワーク管理に使われています。こうした管理の側面を説明する場合には、この部分がかかせません。
【生徒向け】 TCPは、トランスポート層のプロトコルです。また、アプリケーション層では具体的にどのようなプロトコルが使われているか調べてみましょう。

1707-5
【教師向けコメント】 OSI基本参照モデルでは通信機能を7階層に分けて説明している。より深く理解が必要な場合は、情報処理技術者試験などの参考書などを見ておくとよいでしょう。
【生徒向け】 IPは、インターネット層のプロトコルです。パケットについては、1707-2も参照してください。

1709-3
【教師向けコメント】 ネットワークでデータが正しく送られるしくみ、ルータの役割、ルーティングテーブル、ホップカウントについて学習することができます。
【生徒向け】